トランポってなんですか
オフロードバイクという乗り物は、その走るフィールド故に
自走ではなく積載して出かけることが多い乗り物です。モトクロッサーのような競技専用車両には必須ですね。
軽さもあって積み込みが気軽に出来るのもその理由でしょうか。
積載用の車のことを一般的にトランポ(トランスポーター)と呼びますが、トランポにはいくつかの種類があります。
この記事ではそのトランポの種類と選び方について解説していきます。
トランポの種類
軽トラック
最強のトランポです。なにも手を加えることなくバイクが積めて、車両価格も維持費も安い。
初めてのトランポとしてこれほど良いものもないでしょう。
軽トラのメリットは上記の通り、そのままでトランポとして完成していること。
色々な意味でお金が掛からないことです。
スタッドレスタイヤも安いですよ。
地上高もありますし、農道を走る前提があるので多少の荒れ道も問題ありません。
デメリットは荷台の雨風はしのげないので、雨の日は衣類を助手席に置くことになり、
室内のスペースがかなり狭くなります。同様に車内での着替えも難しいですね。
また、バイクや工具は剥き出しなので、盗難対策も難しいです。
また、軽自動車なので高速道路も少し辛く、遠征には覚悟が必要です。
エアコンを付けると90kmが限界だったり、全開走行なのでエンジン音で隣の席と会話出来なかったり・・・
それも軽トラの醍醐味と楽しめれば問題ありません・・・?
寺尾が初めて買った車も軽トラでした。テントとバイクを積んでレースへ遠征したり、過酷でしたが楽しい思い出です。
ピックアップトラック
オシャレライダー御用達の選択です。一時期はIAライダー達が挙って乗っていたイメージです。
アメリカンモトクロスと言えばこのスタイルです。
故にIAライダー達は一時期このスタイルを求め、やがて実用性を求めてハイエースに戻っていきました。
定番なのはトヨタのハイラックスやタンドラ、最近はトライトンというのも出てきましたね。
軽トラと同じトラックとは言いますが、基本的に大きな車両が多く近くで見ると迫力があります。
メリットはもちろんカッコ良いこと。排気量もあるので軽トラにあった辛いポイントはほぼありません。
車内での着替えも広々とは言いませんが可能です。
濡らしたくない荷物も車内に全然収まりますね。
デメリットは、やっぱりバイクや工具は剝き出しなので盗難対策が難しいこと。
荷台の高さがあるので、積み込みの難易度が少々高いことでしょう。(落下リスク)
ワンボックス/バン
トヨタのハイエースや日産のキャラバンなどの箱車です。
ザ・トランポとも言える王道の選択でしょう。
沢山積めて、車内で快適に過ごせるというのは他のトランポには難しいポイントです。
車体のサイズや仕様も様々なので、厳密にはどのサイズを選ぶかでも色々と変わってきます。
メリットは防犯面と快適性でしょう。
一見するとバイクや工具などが積んであるかどうかはわからないですし、
雨風を受けても濡れる心配はありません。
また、荷物を降ろせば広い空間が出来るので、着替えは当然、車中泊でもなんでも可能です。
車中泊は床張りをしたり折り畳みベッドを組んだり、工夫次第でドンドン快適さは増すでしょう。
キャンピングカーとしても使えるレベルのトランポがコースにはいつも沢山集まっています。
デメリットは、仕様にもよりますが快適性が挙げられます。
さっきメリットで快適性って書いたでしょ、って思われるでしょうが、ここで挙げるのは乗り心地のお話です。
ハイエースの例ですと、DXという標準の仕様は商用貨物車として作られているため
内装は鉄板剥き出しで簡素ですし、サスペンションもリーフスプリングタイプで
乗り心地としては少々ハードです(跳ねる)
一方で内装が簡素な分改造しやすいのもこのDXで、あれこれ家具を取り付けていくなら
素材としては一番手を掛けやすいという側面があります。
サスペンションもその気になれば交換すれば良いですからね。
逆に、S-GLという上級グレードですと
ミニバンのような快適な乗り心地にかなり近くなります。電動スライドドアなど装備も充実。
DXとは逆の理屈で、内装が作りこまれているので改造するには少し手間が掛かります。
また、第二のデメリットとして、そのままではバイクを積み辛いということがあります。
タイヤストッパーの固定やタイダウンベルトのフックなど、車体を固定するために
少し手を加える必要があります。
最近はこの手のパーツが充実しているのでそれ程手間は掛からないですし、
一部の仕様ではトランポ仕様を前提としたものも出ていますね。
→https://www.dirtbikeplus.jp/products/detail/30506
ミニバン
トヨタのノアや日産のセレナ、ホンダのステップワゴンなど。
ミニバンと呼ばれる車です。
ワンボックス車程の室内空間はありませんが、一応はフルサイズバイクも積めます。
この手の車のメリットは、安いモノはとことん安いということでしょう。
完全な乗用車なので、少し古い年式であれば価格が大きく下落しています。
(ハイエースや軽トラなどの商用車は下落しにくい)
30万以下で手に入ることもザラにあると思います。
ある意味では軽トラ以上に敷居の低いトランポと言えます。
多少古くても乗用車なので乗り心地や静粛性も優れているのは大きなメリットですね。
まして、新車であれば猶更快適です。
デメリットはバイクが積みにくい、ということ。
ミニバンは内装が出来上がりすぎているのでバイクを積むための改造が結構難しいです。
床にはシートのスライドレールがあったりして泥を落とすと大変だったり、
ベルトを固定するポイントに悩まされたり。
ハイエースなどと異なりそれ用のパーツも中々無いので、オーナーの創意工夫が求められます。
また、フルサイズバイクの場合、ハンドルがほぼ100%天井に接触するので、
フロントフォークを縮めたりハンドルを倒したりと、なんらかの工夫が必要です。
適当な長ナットとアイボルトを組み合わせれば、
アクスルシャフトに挿してこんな感じにフォークを縮めるアタッチメントが自作可能です。
トレーラー
どんな車も?トランポに出来る魔法のアイテム・それがトレーラーです。
ヒッチメンバーと呼ばれるジョイントを車に装着すれば良いと言う気軽さが良いですね。
当然、トレーラーを外した状態であれば普通の乗用車として使用出来るのが大きなメリットです。
画像のようなカーゴタイプであれば、バイクは勿論様々な荷物を積み込めるのでとても便利です。
汚れたウェアやブーツ・ガソリン携行缶のような匂いのするものはトレーラーに積んでしまえば
車内を汚す心配もありません。
荷台がメッシュタイプのトレーラーなら積んだまま洗車という荒業も可能です。
デメリットとしては、牽引ならではの運転の難しさと駐車場所の確保、
自宅に普段トレーラーの置き場が必要なところでしょうか。
その他、高速料金の割り増しも少々辛いところです・・・
まとめ
レースは出ないよ、とか雨の日は乗らないよ、という方であればどのスタイルでも良いと思います。
週末にちょっとコースに出かけるくらいなら軽トラが一番気軽ですしね。
ただ、ガッツリ遊ぶ・レースに出るという方は
ハイエースやキャラバンなどのワンボックス車がオススメです。
理由はワンボックス車の項で記述した通りですが、レースを前提とすると
天気が良くても悪くても走らなければいけません。
トラック系やトレーラーはこの点で雨風を凌げず少々辛い。
ミニバンは同じく快適ですが、乗用車故に車内が綺麗すぎるので
泥汚れの持ち込みや走行後のバイクの積載などで結構気を使うかと思います。
その点、ワンボックスは商用車なのでこういう用途にはタフです。
お掃除もしやすいですしね。
でも、一番カッコ良いのはピックアップかなぁとは思います。
やっぱりあのスタイルは憧れますねぇ・・・
おわり