よくあるトラブルシリーズ:ハンドル曲がったような?編


あるあるなトラブル

今回はよくあるトラブルというお話をしたいと思います。
続くかもしれませんし、最初で最後のネタかもしれません。シリーズとは名ばかりにならないよう頑張ります。

で、タイトルの通り「ハンドル曲がったような?」というトラブルの対処について解説します。
まず、ハンドルが曲がったかも?と思う状況というのは多くの場合、転倒時だと思います。

バイクを起こして跨った際、「あれ?ハンドルがなにかおかしいぞ」と違和感を感じるわけですね。

3つの原因

この場合、考えられる原因は3つです。

①ハンドルが曲がった
言わずもがな。物理的にハンドルが曲がったパターンです。
こればっかりは仕方ありません。ハンドル交換あるのみです。

②ハンドルクランプが捻じれた、ズレた
ラバーマウントのバイクにあるあるな事例です。

ハンドルクランプの下にあるコーン形状のゴムが潰れてしまったり、
ボルトが変形してしまうことで起こります。
画像で言うと、赤い部分が純正ではゴムパーツが付いていて
衝撃吸収の役目を持っています。
このトラブルは組みなおして治るケースもありますが、
基本的には部品交換となります。

③ホイールとフォークが捻じれた
これが今回紹介したい事例です。
ハンドル周りは実は変形もズレもしていないのに
ホイールがフォークから捻じれてしまうことで起こる違和感です。

フォークの捻じれとは




わかりやすく画像で紹介するとこんな感じ。
オフロードでは転倒が付き物ですが、割と軽い転倒でもフォークって捻じれたりします。
それでもバイクは真っすぐ進もうとするので、ホイールは自然と前を向きますが、
そうなるとハンドルは傾いた状態(ハンドルを切った状態)になるので、
ハンドルが曲がったように錯覚してしまうわけですね。
この場合は、部品が変形したり破損しているわけでは無いので修正が可能です。

修正方法

修正方法はカンタン、ホイールを外して付け直すだけです。
本来固定されていた位置から外圧で強引にズレてしまっているだけなので、
分解して組みなおせば自然と元の位置に戻るのです。

しかし、フォークの捻じれというのは転倒時に起こるトラブルなので、
現場でホイールの着脱をやっているわけにもいかないでしょう。
そんなときはコレです。

ホイールを蹴る
オイオイ雑だなと言われそうですが、これが現場で昔から行われている応急処置なのです。
修正したい方向にハンドルを切って、ホイールを足の裏で蹴るだけです。

やってみるとわかりますが、おそらく簡単に戻ると思います。
蹴る力によっては戻りを通り越して反対に捻じれちゃうことも。

その際はもう一度逆方向に蹴ってあげればOkです。
ただ、周囲から「バイクに八つ当たりしてる人だ~。大人げないな~」
と思われないように配慮しましょう。変な目で見られても責任は持てません。

これで、フォークの捻じれは(とりあえずは)解消され、
ハンドルの違和感も無くなることでしょう。
林道やレース中のトラブル対処法として、覚えておいて損ではありません。
あくまで応急処置なので、お家に帰ったらホイールは組みなおしてあげて下さいね。

余談


・・・因みに、過去にレース中「ハンドルが曲がっちゃったかも~」というトラブルを目にした際、
エンデューロライダーの内山裕太郎選手は車両を見るや否や
すぐにホイールを蹴って直していました。

流石ベテランのエンデューロライダー。
判断の早さは鱗滝さんも舌を巻くレベルだと思ったものです。


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