KLXとシェルパ

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まさかのシェルパ

 

   

 

一度絶版となっていたKLX230/SMが復活すると、春のモーターサイクルショーで発表されて
お待ちかねの再販がそろそろですね。
外装も新規形状となってKXイメージで非常にカッコ良くて人気が出そうな予感です。


かと思えば、事前情報がほぼ無かったシェルパが復活というサプライズもあり、
おもむろにカワサキオフロードトレールが充実する形となりました。
急に全力を出してくるカワサキさん・・・嬉しいけど一体どうしたのでしょうか。

KLX230シリーズは空冷で軽量・スリムで乗りやすい良いバイクです。かつてのKLX250よりパワーこそ控えめですが、
フィールドによっては250より速い場面も沢山あるので侮れません。
(空冷って構成部品少なくてシンプルなのがウレシイ)

と言うわけで今回の記事はシェルパのお話をしたいと思います。
かつて、1997年~2007年まで販売されていたスーパーシェルパ。
KLX250の水冷エンジンを空冷化し、特性も少しマイルド・低速寄りにしたエンジンを
コンパクトな車体に搭載。


セローと並ぶコンパクトトレールとして一定の人気を博しました。
初期は画像のようなダウンフェンダー仕様がラインナップされるなど、トレッキングを意識したところもあり、
セローに勝るとも劣らないポテンシャルがあったのです。
(ダウンフェンダーだと前輪の動きが見やすいのです。なのでトライアルバイクは基本ダウンフェンダー)

・・・そう、セローに勝るとも劣らないポテンシャルがあったのです。
大切なことなので二回言いました。

KLX230が登場したとき、230という排気量と少しコンパクトな印象から
これはセローの対抗馬か~?と注目されました。

しかし、実際はセローよりも高速域を重視したエンジンと車体で
セローとは違う路線のバイクだったのです。闘うKLXは230でも闘う4ストだったということですね。
実際にコースに持ち込んでみたり、兄弟車のKLX230Rを走らせてみると、中々に速いバイクなのです。
初期は車高を落としたKLX230Sが無かったので、猶更尖ったイメージがありました。

しかし、今回のシェルパはどうでしょう。
なんだか強くセローを意識した、セローの空席を狙ったような要素が強く出ています。

ヘッドライトの下にはスタックバー(パイプ)
名前の通り、スタック時に引っ張るための取っ手です。
エンデューロでおなじみのスタックベルトの金属版ってところですね。
旧型のスーパーシェルパには無かった装備ですが、これはウレシイところです。

外装デザインは通常のKLX230と似てるようで少し異なります。
シュラウドがコンパクトに、エッジを落としたような形状へ変更。
空冷なのでシュラウドの形状は自由です。(ラジエターを意識しなくて良い)
ヘッドライトも兜を被ったような形で上下分割されており、ディテールが増えて無骨な印象。

シート形状も比較的フラットで、乗車時のポジション変更もしやすそう。


車高・シート高は840mmと低めの設定。
セロー250は830mmだったのでほぼ高さの面ではほぼ同等ですね。
小柄な方でも不安は無いでしょう。


スイングアームはKLX230に倣ってアルミ製。SMが何故かスチールスイングアームを継続している中、
シェルパはアルミを採用しています。アジャスターもスネイルカムより破損に強く、確実な調整が可能なアクスルブロック式。

メインフレームはカワサキ伝統のペリメターフレーム。(ツインスパー)
タンクを囲うように両サイドからフレームが伸びる、現代のモトクロッサーに通じる形状です。
90年代のKXから採用されている形状で、剛性と強度に優れています。
攻め込むとフレームが折れることがあるライバル車に比べ、KLX・KDXシリーズのフレームは強かったイメージですね。

エンジン特性に関してはまだ情報が少なく未知数ですが、
願わくば低速・粘りのあるエンジンにチューンされていると嬉しいな、と思います。
エンジン次第ではセローを超えるトレッキングマシンとしての期待も出来るのではないでしょうか。

KLX230とKLX230シェルパ。
この二台の特性は宣材写真にも表れています。

KLX230


公式サイトに掲載されているKLXの宣材写真。
リヤをスライドさせながら攻めている、林道ツーリングではあるもののレーシーなイメージです。

SHERPA

複数ある宣材写真から一番オフロードっぽい画像がこれ。
ウッズをトコトコと走るイメージですね。

カワサキトレールに期待

と、いうわけで車体の作り、宣材写真のイメージ、
色々な視点から見るとこのバイクはまさにシェルパ。そして絶版となって数年が経過したセローのポジションを
獲りに来ていると思われます。
今回は走りの性能面に着目した記事となりましたが、ツーリングバイクとしても大いに期待できるでしょう。
デリバリーが非常に楽しみです。


寺尾 拓郎

この記事を書いた人

店長

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