ハンドルを交換する理由


アルミハンドルバーのススメ

ハンドガードが先かハンドルバーが先か


ノーマルハンドルにハンドガードを取り付けたいと言うオーダーを良く頂きます。
全然可能です。
一般的なトレールバイクであれば大抵は取り付け出来ます。

例えばCRF250Lなら純正ハンドルバーはエンド部がM6のネジ穴になっていますが、
専用品であればノーマルハンドルに取り付け出来ます。
その他のバイクも一般的なハンドルの中身が空洞構造であれば、大抵の汎用ハンドガードは取り付け可能です。

・・・ただ、オススメするかと言えば
ご一緒にハンドルバーも変えちゃいませんか~という思いもあったりします。
理由としては、多くのお客様が後々高確率でハンドルバーの交換もオーダーされるからです。
この二つは必ずしも同時じゃなくても良いのですが、
工賃や手間を考えると同時に作業した方が効率的なのは確かです。


CRF250LとSEROW250の純正ハンドルバーです。
どちらもアルミハンドルより重く、転倒などで曲がりやすく、ツーリング向けポジションで
オフロード走行に向かないと言う特性があります。

重量

まず重さから見てみると・・・

CRFの純正ハンドルバー→900g
SEROWの純正ハンドルバー→800g
一般的なアルミハンドルバー→約700g

アルミに変えるだけで100-200gの軽量化になりますね。
200gの差はジャンガリアンハムスター20匹分に相当します。
ここは特にデメリットも無く軽量化出来るポイントなので、押さえておきたいところです。

強度

次に強度ですが・・・
これは数値で表すのは難しいのですが、林道やコースで転倒すると
ノーマルの鉄ハンドルバーでは高確率で曲がります。

しかし、ZETAのCXバーやRENTHALバーはそう簡単には曲がりません。
限度はありますが、そう簡単には曲がらない強さを持っています。

特にSEROWの純正は補強のブレースバーが無いので特に転倒には弱いのです・・・。


また、ハンドガードを装着する理由の一つとして、転倒時の破損防止が挙げられますが、
確かにレバーやグリップの破損は防げるものの、
肝心のハンドルバーが曲がってしまっては本末転倒です。

ポジション

そしてポジション。
これは乗り方次第なので、必ずしも優劣にはならない話なのですが、
基本的に純正はツーリングで疲れにくいようなポジションの寸法と
曲げ角(ざっくりベンドと呼びます)になっています。

実感しやすいのがこの【引き】という部分で、
トレールバイクの純正ハンドルバーはこの数値を多めに取っています。
そうすることで肘下がりな姿勢を取りやすくなるため、通勤通学やツーリングで疲れにくいというわけ。

これが自分に合うのであれば良いのですが、
乗り方も体格も千差万別です。
特にオフロードで走る場合には変えてみると乗りやすさの変化に驚きますよ。

特にツーリング向けのハンドルバーではこうした【攻め】の姿勢は取り辛いです。
ツーリングの楽さとスポーツ走行のしやすさは相反する要素なので、
使い方に応じてハンドル選びは変わるということですね。

じゃあツーリングメインの使い方ならノーマルでいいんじゃない?
・・・って聞かれればその通りです。
そういう用途なら乗りやすいハンドルのベンドだと思います。
ただ、軽さだったり丈夫さの点はアルミの方が優れているので、アルミハンドルバーの中から
ツーリングに向いたベンドのハンドルバーを選ぶというのも良いと思います。

ZETAのエクスプローラーハンドルバーなどは
ツーリング向けのベンドもラインナップしていますし、
幅も短め・広めから選択できる構造になっています。

この表を見るとEの数字がスポーツとツーリングで全然違うのがわかりますね。

これ以外にも、各社ツーリングに向いたベンドのハンドルバーはラインナップされているので
選択肢は豊富にありますよ。

しなり

一見そうは見えませんが、ハンドルバーって実は結構しなっているのです。
目視でビヨンビヨン動くことはありませんが、
固めの土質のコースをハイスピードで走っていると結構実感できます。

ZETAのSX-3ハンドルバーRENTHALファットバーはこのしなり特性が強く、
路面からの衝撃をかなり軽減してくれます。
鉄ハンドルも結構しなるのですが、転倒時の強度が保てないのでここはやっぱりアルミですね。

・・・が、ハンドガードを装着するとしならなくなっちゃうんですけどね(^^;)
(ハンドガードが補強になってしまうため)

余談

これは余談ですが、ホンダ車で純正ハンドルバーに純正グリップヒーターを装着されている場合は
ハンドル交換の際にグリップヒーターをアルミハンドルに移植するのは至難の業というか、
不可能に近いです。


何故かというとグリップヒーターというのは熱を持つが故に、強力な接着剤で固定されているので
容易に純正ハンドルバーから取り外すことが出来ず、
無理に外そうとするとスイッチ部分が破損する可能性が高いのです。

このグリップヒーターは製品としてはとても良いモノなので、
移植できないのも、無理して壊してしまうのも辛いところです。

なので、納車時にグリップヒーターを先に装着してしまうと
後々費用がかさんでしまうので、先にハンドルバーを交換しておいた方が良いかもしれません・・・


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