2003年から2007年くらいでしょうか、空前のモタードブームというのがありました。
今でも人気のモタードですが、当時の熱はもっと凄かったのです。
レースも賑わっていましたが、トレールバイクベースのカスタムがとにかくアツかった・・・
先駆者であるD-TRACEKR/250SBに続いてXR250モタードが発売され、
DR-Z400SMもそれを追い、最後には満を持してWR250Xが登場・・・というのが2003-2007年頃のおはなし。
雑誌も「スーパーモタードナウ」とか「モトライダーフォース」などの専門誌もありました。
誌面には毎月気合の入ったカスタム車両が多数掲載されていて、
中でもD-TRACKERは元祖市販モタードとして一際パーツも多く盛り上がっていたのです。
今回紹介する車両はそんなモタードブーム全盛期からタイムスリップしてきたかのような熱いコダワリを感じるカスタムになっています。
なんとヨシムラM250Sです。
ベースは250SBであり、D-TRACEKRであり。それをヨシムラのサイレンサーと
スペシャルカラーの外装で飾った、2003年に限定販売された車両です。
こんなに綺麗なのが残っていたんですねぇ~。
元々驚くほど良い状態で残っていたのですが、それをオーナーさんのコダワリでメインフレームとエンジン以外の大半のパーツを
交換や再塗装・ブラスト・アルマイトなどでリフレッシュ。
とっても綺麗にカッコ良くなりました。
特にフロント周りは手の入っていないパーツが皆無なレベルです。
マジカルレーシングの外装パーツもまだ購入可能なんです。これ、憧れたなぁ・・・
取り付けにあたって初めて現物を触ったのですが、透ける程薄く出来ていて非常に軽いです。
そりゃカーボンは軽いでしょって思ってはいましたが想像以上でした。
このカーボン外装はサイドパネル・リヤフェンダーにも採用されています。
ハンドル周りはZETAのトップブリッジやハンドル・ガードで揃え、
クラッチはマグラの油圧に・マスターシリンダーはブレンボのラジアルを奢ります。
それに対応してブレーキもBEETから販売されているディスク・マスターのキットを装着。
キャリパーにはスポークの干渉を避ける加工がされているのですが、それでもスポークに接触していたためシム調整とスポークの張り調整で対応しました。
大きなディスクに隠れていますが、ホイールはZ-WHEELハブにEXCELリムの組み合わせです。
このブレーキは大変具合が良く、柔からコントローラブルなタッチでありつつガッツリ止まるという理想的なバランスです。
キャブレターはヨシムラTMRキャブレター。
ヨシムラ仕様のサイレンサーに合わせてセッティングもバッチリです。
とは言え僕の調整は少しだけ、ほとんど出荷時のままの微調整程度です。それだけ出荷時のセッティングの精度は凄い・・・
リヤ周りのリフレッシュも抜かりなしです。
Z-WHEEL+EXCELのホイールにBRAKINGのディスクローター、チェーンとスプロケットも軽量なアルミとモトクロス用チェーン(EK-520MRD7)を装着。
他にもラジエターをガンコートしたり、リヤショックのオーバーホール&テクニクスのスプリングに交換したり(フロントも)
各種アルマイトパーツに交換したり・・・とにかくボリュームが多くてとても書ききれません(^_^;)
そんなわけでお時間も結構掛かりました。
作業時間も部品が揃うのにも。オーナーさん本当にお待たせしました。
ここまで手の掛かったバイクはそうはありません。当店のデモ車(展示車両)どころではありませんそれ以上です。
皆さんも自分だけの一台、作ってみませんか~