こんにちは。大阪店クレです。
今日は前回ブログでの告知通り、僕が全日本選手権プロクラス参戦に使用しているマシン、CRF450Rの仕様紹介の回でございます。
車種特有の説明というより、「モトクロッサー車両をベースにスーパーモト(モタード)仕様にモディファイするにあたって」のポイントについて説明させていただく趣旨な感じです🛠️🛠️
ニッチな分野ですが、わかりやすくサラッと説明します(努力)ので、「ほーん。そんな感じなん。」くらいの気持ちで読んでみてくださいませ👋
それでは早速、車両紹介です。
“…さぁ 見てくれ、オレの作った本物の竜だ。 オレの全てとひきかえにしたRだ”(某漫画第5巻より)
車両:CRF450R(2024年式)
27年モデルが新発表されたことで2世代前のモデルとなってしまう😭のですが、戦闘力は十分です。
毎年新車に乗り換えるのがベストですが、社会人ライダーには大人の、いやお金の事情ってもんがあるんです(察して)
車体をぱっと見て目につくのは、やはりデカールですね。自分は所属するチーム(CPsports)にデカール作成を任せています。
スーパーモトって残念ながらワークスチームとかなくて、うちも車両は全額実費で購入しています。そのため、ホンダでありながらメーカーカラーと全く違うデザインが成り立っているんですね。
いつかどこかの記事で、アメリカではオフ車買ったら最初にハンドルとデカールでカスタムするのが鉄板、みたいな話を聞いたことがあります。確かに、アルマイトパーツでデコるよりもパッと見た印象はデカールの方が強いですよね。プラスチック外装の保護にもなるのでオススメです🎶
ここからは部位ごと順々にさらっと説明していきます。
ハンドルバー&ハンドガード
見ての通りハンドル周りですね。ハンドガードが付いてます。
走行性能面においては、「アルミの」クローズドエンドタイプで覆ってしまうのはメリットはあまりないんですが、防御力はピカイチ。
お高いラジアルマスターシリンダーを守りたいっ!て感じです。海外ではプラスチック製のクローズドタイプが多いですね。そっちのほうがハンドルのしなりを活かせるので操縦は楽だと思います。
ハンドガードは様々なメーカーから発売されていますが、ここからがポイント。
「無加工・ボルトオン・ポン付けはまず無い」
これは肝に銘じておきましょう。
着けるだけなら、さほどハードルは高くありません。ですが目的の防御力を発揮するには適切なフィッティングが重要です。
カラーを挟んだり、場合によってはハンドガード自体を曲げ直したり、ハンドルに対して無理のないよう適切に取り付けないと、転倒時に容易くズレて怪我したり、またはズレたハンドガードがブレーキ/クラッチマスター周りを巻き込んで破壊したり、ろくなことがありません。
ただ、人気トレール車種に限っていえば当社から車種専用ハンドガードキットがラインナップされていますので、該当車種に乗られている方はこれを選ばない手はありません。ほんとにポンでつきますからね。最高ですよ。
車種専用アドベンチャーアーマーハンドガードの商品ページははこちら
ハンドガード取り付け加工のうんぬんは話し出すと長くなるので、またの機会にしますね。
マスターシリンダー&キャリパー&ディスクローター
アスファルトかつ超絶ハイグリップなスリックタイヤ(使いこなせれば)
当然、ブレーキにもそれに見合ったストッピングパワー&コントロール性が求められます。そこで、ラジアルマスター&ラジアルキャリパーに換装。さらにブレーキローター(ディスク)も大径化は必須。多くの場合、320mmまたは300mmのローターが使用されます。
(当車両は320mmです)
ホイール外すのにキャリパー外すのは普通だと思いますが、パッドを外さないとキャリパー外れないので大変です。
ちなみにミシュランタイヤユーザーはフロント16インチなので、キャリパー外さずローターを外すらしいです。ヤバ
タイヤ
スリックタイヤです。自分はブリヂストン製モタードスリック(フロント:BM01/リヤR02Z)を使用しています。
なんせ超絶ハイグリップなんですが、それはしっかり荷重を加えられれば、、の話です。誰でもどんなペースでも性能を遺憾なく発揮できるかというとそうでもないんです。意外ですよね~。
ちなみに、写真の前後タイヤは見ての通り溝が掘ってあります。モタードスリックはグルービング(溝掘る)することが多いのですが、
土の上でのトラクションを得たいだとか、タイヤを揉みやすく(たわみやすく)してタイヤ温度を上げたいとか、いろいろあります。なのでコースや狙いによって掘る/掘らないとか掘り方を大きく変えたりしてます。
今度、どんなふうにグルービングするのかもブログで紹介します👍(どこに需要が)
クラッチ/フレーム
クラッチはスリッパークラッチを採用しています。ブレーキング時の強力なバックトルク(エンジンブレーキ)を逃がしてくれる部品です。市販車にも搭載されることが増えてきましたよね~。
4stモトクロッサーのエンジンブレーキは強力で、しかもアスファルト&スリックタイヤだとクランクに強烈な逆回転方向の負荷がかかるので、エンジンに厳しいみたいです。(そう聞いたことがあります。)
シフトダウンの後、自分で半クラッチ作ってエンブレを逃がす処理が出来るのであれば(交差点の発進、減速の時もいい感じに半クラッチしますよね。雑な表現ですがあんな感じです。)スリッパークラッチは必須ではないのですが、
近年の油圧クラッチ装着車の場合は半クラッチの操作性がワイヤー式に比べて難しいので、できれば装着したい部品ではあります。
僕の場合、スリッパー装着車両であっても半クラッチ操作は常にしていますが、場面次第で当て方が良くなかったり、ミスした際の保険などの目的でつけてます。できれば100%スリッパー任せにしないほうが消耗は抑えられますからネ。
ちなみにフレームにはホールド性向上のためにグリップシートを貼っています。自分で型とって切って貼りました。
フットペグ
モタードはモトクロッサーに比べて車高が低い場合が多いので、ステップを地面に擦ります。
無くなっちゃうと具合悪いので、アップステップに換装している選手が多いですね。
写真のステップは純正を切って位置を変えて溶接し、20mm近くUPしています。
僕のように高身長(185cm)なライダーだとあんまり上げるとネガも出るのですが、妥協も必要なのです。
リヤ周り
リヤはぱっと見ではタイヤ/ホイールくらいしか変更点はないように見えますが、そうでもないです。
一番大きな変更はスイングアーム。ショート&ワイド加工をしていて、5.5インチリムに165/630R17の極太リヤタイヤが装着可能。
太いタイヤをつけるためだけのためにワイド加工しているわけではないのですが、このあたりの詳細は伏せておきます。(チーム的社外秘?)
3枚目の写真でリムを見てほしいのですが、一定間隔で傷が入ってますよね。これはチェーンがヒットしてついた傷です。
トレール車両ではまず有り得ない?状態かも。せっかくワイドリムを組んでも傷だらけにしたい人なんてまずいませんよねぇ。
ただ、レーサーの場合は仕方ない面もあります。性能最優先ですから。勿論、あんまり酷い当たり方してるとリムもチェーンも極端にダメージ受けて危ないので、リムのオフセット量やチェーンガイドの追加加工(↓写真)などして対策はしています。それでも多少擦る分には許容するって雰囲気です。(レーサーでも、5インチリムの場合はあんまりチェーンが当たることはないです。)
そして↓サイレンサーが、真っ黒。これもタイヤと当たってます。ジャンプの着地でフルボトムした際に擦ります。サイレンサー側にカラーを挟んで外側にオフセットしていますが、当たりの強さによってはエキゾーストを溶接して取り回しを変更するなど対策が求められます。
↓フットペダルの高さUPに伴ってシフトペダルの高さも上げているんですが、ドライブスプロケットの丁数を1丁増やして外径が増しているので、チェーンが微妙に当たっています。
このように、いろいろと干渉する部分があります。手間とお金をつぎ込めば、このあたりも一切合切解決できるかもしれませんが、そこまでコストかけるほどのデメリットでもないので、、これも妥協です。街乗りトレール車両では嫌ですけどね、干渉するくらいなら純正状態で気持ちよく走りたいものです(笑)
オイルキャッチタンク
キャッチタンクは車種やエアクリーナーボックスの形式次第ですがレギュレーションでの装着義務付けはありません。
ただ、車種やシチュエーションによってはブローバイのオイル量が多く、トラブル発生からのリタイヤという事案が稀にあります。
そういったトラブル予防のためにも、装着してると安心ですね。
あ、写真撮り忘れましたが反対側のシュラウド内側に冷却水用のキャッチタンクは装着しています。これは義務です。さらにいえば冷却水もレース専用品じゃないとダメです。アスファルト路面にクーラント(不凍液)撒くと滑ってみんな転ぶので、テロ事件です。
トリプルクランプ
21/19インチから16.5/17(レインタイヤは前も17インチ)に変更することで車体のディメンションが変わるので、トレール量の確保がどうのこうのという謳い文句でトリプルクランプ換装は定番ですね。僕も一番シェアの高いであろうXTRIGを装着していますが、性能やディメンション変更が目的ではなく、メンテナンス性やセット変更のし易さという部分の事情で採用しています。
シート
シートは近年モトクロッサーで多く見られるリブ付きタイプも人気ですが、モタードの場合あまりマディで泥まみれ、シートずるっずるに滑る、、みたいなシチュエーションは見られないのと、レーシングスーツの革とリブの相性次第ではグリップ良すぎて逆に乗りづらいこともあるそうで、うちのチームはリブなしを選ぶライダーが多いです。
後端にある2本のリブはオシャレです。(アスファルト走る際、着座位置のチェックのための目印にしたりもします)
フロントフォーク&ホールショットデバイス
フロントフォークはストローク量と減衰特性ともにモタードに最適化させています。簡単に説明すると、初期はよく動いて奥でしっかり踏ん張ってくれる感じを狙っています。(リヤショックも同じようにスプリング変更&リバルビングしています。)
ホールショットデバイスはモトクロスではお馴染みですね。フォークを低い位置で固定して、スタート時のフロントリフトを抑制します。
とはいえモタードの場合、モトクロスほど深くセットすることはあんまりありません。モタードのグリッドスタート形式では、モトクロスのゲートと違ってメカニックの補助無しでセットしないといけないのであんまり深いとセットできません、、
あと、あんまり深いとリヤのトラクションの掛かりが悪くなって却って出足が悪くなったりすることもあります。難しいですねぇ。
まあ、モタードの場合、土と違って開ければ進む訳でもない(上に捲れる)ので、ライダーが黄金の左手をもっていればデバイスなしでもロケットスタートは可能です(僕はセンスないほう
概ねの説明はこんな感じです。ちなみにモタード=17インチですが、レーサーの場合、ブリヂストンとメッツラーユーザーはフロント16.5インチを使用しています。(ブリヂストンはレインタイヤが17インチ、メッツラーはスリックもレインも16.5インチ)
僕の車両のレインverはこんな感じ。
この3枚の写真の中で違和感を(不具合)を感じ取った方はいるでしょうか。
ロードレース/モタードレースやってる人なら簡単に気づくことでしょう。ただこれにも一応理由があるので、ご心配なく👍
こんな感じで、ざっくりの説明ですが纏めると結構な長文になりました。とはいえ、レーサーモタードに興味のある方はきっと最後まで読んでくださっていることでしょう👍
これでもあんま深堀りはしていないつもりなんですけど、最近の僕のブログを観てくれたレース業界の方達からは、ネタは小出しにしていかないと勿体ない()と言われたので、これからは少しペース抑えないとかもですね(笑)
今後、要望があれば?細部にフォーカスした内容について話できればと思います。
今回、なぜ急にこのブログをアップしたのかというと、なんと明日明後日(9/19-9/20)にかけて奈良県は名阪スポーツランドにて、全日本スーパーモト選手権が開催されるから‼️
「スーパーモト(モタード)競技ってのいうのはこういう車両で走ってるんだ~」ていうのが分かると、よりレース観戦が楽しめるカモ⁉️
ということで次回は全日本選手権第6戦、名阪大会のレースレポートをお届けします。






















