ダープラ的 オフロードタイヤ勢力図

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こちらはダープラにおける、過去1年のタイヤ売り上げの
メーカーシェアを円グラフにしたものです。
オフロード専門店という特殊な環境が故に
オフロードタイヤのシェアの縮図とも言えるのかもしれません。
もちろん、モトクロスに強いお店やビッグオフに強いお店などで
シェアは変わると思いますので参考までに。

パッと見てわかるのはダンロップが非常に強いということ。
次点でIRCも3割近く取っているのでやはり強いですね。
この記事では現在のオフロードタイヤの勢力図と
メーカーの動きについてお話したいと思います。

タイヤ市場はシェアの奪い合い

まず前提として、タイヤという商品は、
市場全体の販売量が突然2倍、3倍になるようなことはあまりありません。
仮に当店で年間1,000万円のタイヤが売れているとします。(数字は仮です)
これが1,100万円、1,200万円になることはあっても、
ある年突然2,000万円、3,000万円になることはそうそうありません。

つまり各メーカーは、
ある程度決まった市場の中でシェアを奪い合っているわけです。

その勝敗を左右するのは、大きく分ければ次のような要素でしょうか。

  • 性能
  • 価格(コスパ)
  • 供給
  • 広告宣伝

概ね上記の要素でシェアの増減が起こると感じます。
必ずしも性能がそのままシェアに反映されるわけでは無い。
タイヤ市場の面白いところです。

ダンロップ(43%)


まずダープラで圧倒的なシェアを持っているのがダンロップ
なんと43%です。強いですね。

競技用タイヤで言えば、
昔からレース活動を止めることなく続け、
現在も数年に一度モデルチェンジや新製品の投入を行っています。
常に進化を続けているということ。
サポート枠もしっかり用意され、トップライダー達のシェアも高いです。
当然、勝てないタイヤではいくら提供されてもライダーは採用してくれないので
性能もトップクラスなのは言うまでもありません。

今日もどこかでタイヤテストを行い、数年先に発売されるかもしれない?
新世代タイヤ開発もバリバリやっています。

最近ではモトクロスタイヤの新作「MX54」も登場しました。
一方、トレール系にはD603、D604、D605という超ロングセラーモデルがあります。
この辺りは30年以上販売されている、世代だけを見ればかなり古いタイヤ。

ダンロップの方も自ら「そろそろ変えないといけないよね」と話されますが
古いから性能が悪いかというと、そんなことはありません。

現在でも十分なグリップ性能を持っています。
特にD603は定期的にオフロードでのグリップが侮れないと話題になりますね。

そしてもう一つ強いのが供給の安定性
欲しいサイズが長期間欠品するケースが比較的少ない。
こうした要因が、43%という圧倒的なシェアにつながっているのでしょう。

ブリヂストン(15%)


続いてはブリヂストン。
ブリヂストンというブランドに、「良い。でもちょっと高い」
というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
これはオフロードタイヤでも割とそのまま当てはまります。

性能に対する評価は高い。
ただし、ダンロップなどと比較して10~20%程度高い場合が多く見られます。

ただ、一昨年からレース活動から撤退してしまいました
全日本モトクロスやJNCCなどでの活動を終了したことで、
それまでブリヂストンのサポートを受けていた
ライダーたちは新たなタイヤメーカーを探すことになりました。

さらにレース活動を停止するのと同時に新商品の開発も同じく止まっています
仮にレース活動を再開したとしても、新商品の開発~販売には
そこからライダーとともに数年間掛けて開発する必要があります。

そのため、現時点ではトップクラスの性能を持つブリヂストンの
競技用タイヤシリーズですが、活動を停止している限り
いつか他メーカーに遅れを取る可能性があるということ。

トレールタイヤやアドベンチャータイヤも性能は間違いなく良いのですが、
これらも価格では少々お高めになっております。
こちらはレース活動の影響は受けにくいので、
将来の心配は必要なさそうですが、
レースイメージが販売に繋がる要素もあるので、
その点では少し損をしているかもしれません。

タイヤ市場において、レース活動とプロモーションが
どれだけ重要なのかを象徴するメーカー
とも言えそうです。

IRC(27%)


IRCはなんと27%
ダンロップには及ばないものの、かなり大きなシェアです。

IRCで売れているのは、はっきりしていて
トレールタイヤとエンデューロタイヤです。

逆にVX10やVX30といったモトクロスタイヤはそれほど多くありません。
というかコースでもほぼ見ません。
当店に限らず、IRCはエンデューロとトレールタイヤがほぼ全てという構成です。

エンデューロでは昔から定番のVEシリーズに
ガミータイヤという柔らかタイヤを
日本で初めて普及させたGEKKOTAシリーズなど
特定のタイヤに対する信頼が絶大なのです。

トレールでは割と世代の新しいGP610、GP410が非常によく売れています。
更に、CRF250LにはIRCのGP-21/GP-22が純正装着されていますが、
純正採用というのは非常に強く、誰もが一度は履いてくれるので
特に不満が無ければ純正タイヤをリピートするというオーダーも受けやすいのです。

その他、TR-011ツーリストなど、
他メーカーには無いトレールバイク向けトライアルタイヤなど
ライバル不在のラインナップも充実しています。

こうした特定のジャンルでの異常な強さが
IRCが一定のシェアを持っている要因だと思いますが、
ここ2年ほど供給が非常に不安定になっていて、
長期欠品が続出しています。
これは生産工場の移転などによるものと聞いていますが、
中々安定供給には至っていません。
現在の欠品状況はかなり厳しく、
自ら獲ったシェアを吐き出してしまっているような状況です。

MICHELIN(7%)


ミシュランが強いのはアドベンチャータイヤ。
ANAKEE WILDを始めとる、ビッグオフロードマシン向けのラインナップが
充実しており、リピーターも多いタイヤです。

トレールタイヤでも本格的MXパターンを持つTRACKERなど
他には無い特殊なラインナップを持つブランドと言えます。

モトクロスタイヤではSTARCROSS 6という良いタイヤがありますが、
国内でのアピールをほぼ行っていないためか、中々装着しているという話を聞きません。
エンデューロではENDURO MEDIUMという結構人気のタイヤがありましたが、
ENDURO MEDIUM2という新作に移行し、これがあいにく評判が悪く
また旧型のENDURO MEDIUMに戻るという謎の迷走があります。

性能は良いのに思うようにアピール出来ていないという、
少々勿体ないブランドというところですね。

PIRELLI(2%)


シェアでは一番低いピレリ。
かつてオフロード向けトレールタイヤとして定番だったMT21が
さほど売れなくなったことが大きいかなと思います。

決して性能面で型遅れになったわけではなく、むしろモデルチェンジもしているのですが、
いかんせんその事実が全く知られていない(宣伝がされていない)
供給が不安定というダブルパンチによるものでしょうか。

ピレリってタイヤの開発は結構積極的に行われていて、
モトクロスタイヤでも定期的なモデルチェンジが行われるのですが、
どういうわけか名前が変わらないのです。

モトクロスタイヤで言えばSCORPION MX32。
これは昨年から新型になっているのですが、名前はMX33になるわけでもなくそのままです。
MT21も同様で、金型が変更されてブロックパターンが変わっても名前はそのまま。
これにより一部の通販サイトでは商品の掲載画像が新旧間違っているケースもチラホラ見かけます。
変なところで損しているなというのは否めません。

しかし、昨年より全日本モトクロスのサポートを積極的に行っており、
有力チーム・有力ライダーの採用も増えてきています。
それらの活動が少しずつ現場の声にも反映され、「ピレリが中々良いらしい」
と最近指名買いが増えてきたところです。

現状シェアは低いのが実情ですが、コースではじわじわとユーザーが増えてきています。
来年のシェアは大きく変動しているかもしれない、
未来が楽しみなピレリタイヤですね。

SHINKO(3%)


シンコー。海外のメーカー?と聞かれることがありますが大阪の会社です。
韓国に工場があるのでその辺りで海外イメージがあるのかもしれません。

ここのタイヤは価格が比較的低価格なのが嬉しいところ。
アドベンチャーバイク用オフロード向けタイヤの
E804/805はブリヂストンやミシュランの半値近い価格設定です。

エンデューロタイヤもファンが多く、
サイドに固い・センターに柔らかいゴムを配置した
DC(デュアルコンパウンド)シリーズは
一時期かなりの販売量を持っていました。
今はライバルの台頭で少しシェアを落としましたが、
今でも人気のシリーズです

因みに、モトクロス・エンデューロタイヤの多くは
かつてヨコハマゴムが2輪事業を行っていた際の金型を流用しています。
ブロックパターンで言えば40年近く前のデザインになりますが、
それが今でも第一線で通用するのが面白いところ。

一時期はもっと多くのシェアを持っていましたが、
敏腕営業マンさんの退職によりイベント出店など現場での露出が減り、
シェアを落としてしまっているのが実情です。

MITAS(3%)


前述のシンコーの敏腕営業マンさんが脱サラして
ミタスタイヤの輸入販売を始めたことで日本で流通するようになったのがミタス。
まだまだ馴染みの薄いブランドですし、
ラインナップも「スーパー」とか「スーパーソフト」とか
ピンとこなくてわかりにくいところがありますが、
名前の問題は定着すればなんとかなるかな・・・?

性能面の評判は上々です。
特に耐久性が高いとの評価をよく耳にしますね。
個人で輸入しているためか、欠品が多いのがタマにキズですが、
エンデューロとアドベンチャータイヤでじわりじわりと勢力を拡大し始めています。

まとめ

と言うわけでダープラ的タイヤ勢力図のお話でした。
こうして各メーカーの特徴や動きを整理すると、
ダンロップを除いて供給や宣伝の面などで各社どこか惜しい点があるというのが見えてきます。

逆に言えば、ダンロップは性能・価格・供給・宣伝全ての面を
バッチリ押さえているが故にこれだけシェアを持っているのかなと思います。

4割以上を押さえるというのは難しいことではありますが、
やり手の営業マンが一人いるだけでパワーバランスが変化することは往々にしてあるので
この勢力図も1年後には大きく変わる可能性は全然あると思います。

特にピレリは昔イケイケな営業マンの方がいらっしゃいました。
予告なく急に20本タイヤを送り付けて、
「特価です!いかがですか!!」「試して貰えれば良さがわかります!」
と電話を掛けてくるという凄まじいスタイルの売り込み方でした。
10年以上前の話で、今は出来ない手法だと思いましたが、
その熱量は販売店としては面白いと思っていたのも事実です。

また1年後に答え合わせをしてみましょう。
それではまた。


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