CRF250とKLX230シリーズのウインカー交換大作戦

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人気のウインカー・ZETA701フラッシャー


KLX230・SM・SHERPAやCRF250L・RALLYの
ウインカーを交換したいぞというユーザーの方は多いと思います。
特に比較的新しい製品であるZETAの701ウインカーは大人気。



コンパクトで軽量・それでいて光量が強いので小さいながらも昼夜問わず
視認性に優れたウインカーです。
小さいと転倒時にぶつける心配が少ないのでオフロードにも最適ですしね。

では、このウインカーを装着したいという場合、なにを揃えれば良いのでしょうか。

え?ウインカーだけじゃダメなの?

はい、ウインカーだけではダメなんです。
それだけでは正常に光らないですし、固定する場所がありません。
なので、この記事では必要なものを全部ピックアップしていきますのでご安心ください。

因みに、今回はZETAの701フラッシャーというウインカーを例に挙げていますが、
M8のボルト型ウインカーであれば条件は大抵同じなので
他のウインカーを取り付けする際にも参考にしてみてくださいね。

ウインカーの固定

まずは画像のようにウインカーを車体に固定しなければ始まりません。
しかし、近年のバイクは純正のウインカーを取り外してみると・・・大きな穴が開いてしまうんです。


CRF250LやRALLYのウインカーを外してみるとこんな感じ。
卵のような形に穴が開くのがわかりますね。これではボルト型のウインカーは固定出来ないというわけです。





そこで出番になるのがこちらのパーツ。
中止に8mm穴が開いた、文字通り蓋となるパーツです。
純正ウインカー跡地の大きな穴をこのパーツでサンドイッチして塞ぎ、8mm穴にウインカーを通して固定するという仕組み。

KLX230に関して言うと、丁度この2つの製品が適合するものです。
丸い卵型の蓋がフロント用。角ばった蓋がリヤ用です。
前後で形状が異なるというのがややこしさに拍車を掛けちゃっていますね。


また、KLX230のフロントウインカーを交換する場合、
ウインカーのネジ長が不足していることと、
ウインカーが小さすぎてライトカウルに隠れてしまいます。
そのため、このようなウインカーを延長固定するパーツを使用します。

光らせる


ウインカーが固定出来たら次は結線して光らせましょう。
KLX230はもちろん、基本的にほとんどの車種は+と-を繋げれば良いのですが、
CRF250LやRALLYの場合はフロントウインカーにポジションランプの機能があるため、
配線が3本あるのでご注意ください。


CRFはこのような変換ハーネスを使用することで
ポジションランプの機能を生かしたまま社外ウインカーに交換出来ます。
ポジションランプは不要という場合はウインカー線とポジション線を一緒に結線すればOKです。

正常に光らせる

ウインカーを固定して、結線したらこれで光るでしょうと思いきや
まだ終わりではありません。この時点でウインカーを作動させると、
ハイフラッシャーと呼ばれる高速で点滅する状態になると思います。

これでは整備不良になるので、ウインカーの点滅スピードを適切に戻す作業が必要になります。
そこで出番なのが


レジスター



リレー

このどちらか一方を使用して対処します。
そもそもハイフラッシャーの原因は、社外のLEDウインカーと純正ウインカーの消費電力の違いによるものです。
LED化に伴い、大きく消費電力が減少。
その際、余剰な電力によって点滅が早くなってしまうんですね。
ウインカーが球切れした際にもハイフラッシャーになりますが、それと同じ理由です。

CRF250LやRALLYは純正でLEDだから関係ないんじゃ?
と思われる方もいらっしゃると思いますが、
私もそう思います。
でもね、不思議とハイフラッシャーになってしまうんです・・・

というわけで、減った消費電力で誤作動を起こしている状態を
改善しようというのがこれらのパーツです。
アプローチは2つ。

敢えて消費電力を増やして元通りの状態にする方法=レジスター

減った消費電力に対応する電力配分にコントロールする方法=リレー

どちらでもOKです。
一昔前のバイクであれば、発電量と消費電力がカツカツで
LED化による消費電力の減少は大きなメリットでした。
故にそのメリットを一つ打ち消してしまうレジスターの使用には少しためらいもあったのですが
現代のバイクはウインカーの消費電力などは些細なもので、良くも悪くもLED化による大きな影響はありません。

ただ、レジスターは日本語で抵抗という意味で、電気を熱エネルギーに変換する性質を持っています。
故に少し発熱します。レジスターの収納箇所は少し気にして考える必要がありますね。

レジスターは取り付けが車体側の配線とウインカーの配線に挟むだけ、
というシンプルな取り付け作業で済むのがメリットです。

リレーの場合は純正リレーと交換するため、
車種によってはシートを外したりタンクを外したりと
作業が少し複雑になりますが、
取り付けてしまえばLEDウインカーのメリットをフルに享受できます。

配線もスマート


KLX230であれば、リレーの取り付けは比較的簡単なので
こちらをオススメしています。
シートを外したら車体右側に付いている純正リレーと交換してください。
画像の黄色い箇所がソレです。

CRF250L・RALLYはレジスターでは対応不可なので、
専用のリレーと交換が必要になります。


デイトナのレブル用が共用で取り付け可能です。
リレーの場所は左サイドカバーのバッテリー横ですね。

これで万事OKだわ


というわけで意外とアレコレ必要になるウインカー交換のお話でした。
今回はKLX230をメインにお話しましたが、バイクが変われば取り付けステーの種類も変わるので
ここは車両の状態によって様々な固定方法を模索する形になります。
我々整備士もウインカーの固定箇所は悩むところです・・・

以下に、改めて今回ご紹介したパーツを一覧に並べますので、
部品選びの参考にしていただければ幸いです。

おわり










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