125ccミニバイクという選択
125ccミニバイクとはなんだい
ここ数年、125ccのミニバイクが人気です。
ホンダのCRF125FとヤマハのTT-R125LWE。
ホンダは2013年からこのバイクを販売していますが、ヤマハは2022年より販売しています。
・・・が、TT-Rはそれ以前にも一時期販売していました。2000年~2007年まで。
ヤマハが再度国内導入を決めたきっかけは、
CRF125Fをメインとしたミニバイクの盛り上がりを受けてと言われています。
実際、一時期CRFの中古価格が新車の定価を超える程だったので、それも納得出来る話ですね。
これらのバイクが多数を占めるミニばいぱにっくは、毎回エントリー枠が早々に埋まる盛況です。
上記の通り、一時期このカテゴリーのバイクの国内導入が見送られていたため、
市場には中古しか無く、それも中古の中古の中古のまた中古・・・という
3オーナー、4オーナーは当たり前で結構コンディションの厳しい車両も多くありました。
今は新車はもちろん、高年式の中古も手に入れやすくて良い時代になったなぁと思う次第です。
さて、この2台のバイクですが、
ミニバイクとも呼びますし、ファンバイクとも呼ばれます。
ファン=FUN。つまり楽しいという意味で、公道こそ走れませんが、
競技用と言うよりはレジャー用の扱いで、オフロードを楽しく遊ぶためのバイクになっています。
モトクロッサーのような強烈な速さはありませんが、低速からじわっと出るパワーで
エンストしにくく、柔らかめのサスペンションと小型軽量な車体も相まって、
小柄な方でも非常に乗りやすいバイクになっています。
もちろん始動はセルで一発。バッテリー上がりなどの非常用にキックスターターも装備しています。
ミニバイクと言えば110ccクラスもありますし、20年ほど前にブームになった50ccクラスもあります。
ただ、この二つは用途が少し限定される面があったり、大人が乗るには少し手を掛ける必要があったりするので、
吊るしで遊べて、なおかつ敷居が低い。更に用途を選ばないという点で125ccのミニバイクは理想的なのです。
オフロード体験にはもちろんですが、普段モトクロッサーに乗ってブイブイ言わせているライダーも
息抜きやリフレッシュ感覚で所有して乗っているライダーも多いのです。
軽く、良い意味で遅く、パワーを扱いきれる楽しみというのは中々良い物です。
リッターバイクを所有しているライダーがたまにモンキーやカブに乗って楽しむ感覚に近いのかもしれませんね。
ダープラ瀬戸店ではCRF125Fのレンタルサービスを行っていますが、おかげさまでこちらも大変ご好評を頂いております。
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ご利用頂くお客様はオフロード自体初めてという方や、「普段はセローに乗っているけど自分のバイクでオフロードはまだ怖い」という方もいらっしゃいます。
トレールバイクってそこそこ重量がありますし、いきなりオフロードデビューとなると
少し身構えてしまうこともあると思います。そんなときこそ、125ccのミニバイクが最適かもしれません。
一度125ccのミニバイクでオフロードを走ると、コースの起伏や滑りやすさ、
オンロードと異なる乗車姿勢など、色々と掴むポイントが出てきます。
百聞は一見に如かずと言いますが、乗ってみるとなるほど~と色々腑に落ちるんですよね。
この体験を経た後であれば、トレールバイクでもきっと上手に乗れると思いますよ。
CRF125FとTT-R125LWEの比較
なるほど125ccのミニバイクが楽しいのはわかった。
じゃあどっちがオススメなんだい?どう違うんだい?という疑問にお答えしましょう。
まずは違いを簡潔に箇条書きで書いてみます。
CRF125F
インジェクション
標高や気温を問わずエンジンが始動し、快調に走れる。
設計が比較的新しい・現代的なデザイン。
35万円
TT-R125F
キャブレター
セッティングでパワーアップの伸びしろが大きい
サスペンションが豪華仕様・アルミスイングアーム
45万円
簡単にまとめるとこんなところでしょうか。
もっとまとめると。
扱いが簡単で乗りやすいのはCRF。速く、限界値が高いのはTT-R。
こんなところです。
インジェクションとキャブレター
インジェクション車の良いところは、なんと言っても扱いが楽ということです。
いつでもセルスタータで一発始動。
それが標高の高いスキー場でも炎天下の夏でも、不調になることは無くすぐに走り出せます。
これは、初心者の方には大きなポイントでしょう。
CRFはチョークも無いので、本当にキーをONにしたらセルスイッチを押すだけです。
一方キャブレター車は、標高や気温によって若干の調整が必要な場面があります。
モトクロッサーのようにシビアでは無いので、概ねセッティングしなくても走れるのですが、
最適化するなら多少は調整した方が良いですね。
メリットとしては、マフラーを交換したり、吸気周りを弄った際に
キャブレターのセッティング次第で大きなパワーアップが見込めるということ。
インジェクション車もセッティングは可能ですが、セッティング用のパーツが別途必要になるので、
この辺りの気軽さはキャブレターのメリットですね。
設計時期の違い
CRF125Fは、初登場は2013年ですが
2019年からメインフレームが新設計となり、インジェクション仕様となりました。
ファンバイクとしては異例の短期間でのモデルチェンジで、外装も一新されているため
現在販売されている仕様の設計は概ね2019年のものと言って良いでしょう。
TT-R125LWEは2000年に登場し、当初はセルも付いていなかったりしましたが
徐々に改良が加えられ、現在の仕様のベースは2008年のものになっています。
競技用車両では無いので、設計時期の差で性能が大きく変わるわけではありませんが、
少し参考にはなるかな・・・?
サスペンション・足回りの比較
これは明確にTT-Rの方が優れています。
フロントフォークにはイニシャルアジャスターが装備されているので
体重や状況に応じて、現地で固さの調整が可能です。
リヤサスペンションも、サブタンクと減衰力調整付きの
中々良いものが装着されています。
更に、スイングアームもアルミ製となっています。
・・・こうして書くと、TT-Rの足回りって中々に豪華仕様ですね。
ではCRFの足回りはイマイチなのか?と言えば
TT-Rとの差はあれど、普通にオフロードで遊ぶ分には不足は感じないと言うか、
ハードに乗らないとそんなに違いはわからないと思います。
良い意味で必要十分と言えるクオリティは持っています。
まとめ
ざっと違いを説明するとこんな感じです。
価格が10万円程違うので、装備を比較するとTT-Rに軍配が上がると言えますが、
遊びのバイクとしての手軽さを考えた場合、10万円の差は中々大きいものです。
初心者・気軽に楽しみたい方はCRF125Fがオススメ
これらのことをまとめると、初心者の方がオフロードを気軽に楽しみたいという
目的であればCRF125Fがオススメと言えます。
低価格で必要十分な装備、いつでもどこでも一発始動のインジェクション仕様。
モトクロッサー譲りの外装デザイン。
オフロード経験者・スペック重視の方はTT-R125LWEがオススメ
一方、普段はフルサイズマシンなどでガンガンオフロードを走っているという方や、
ミニバイクと言えどスペックを重視すると言う本格志向の方はTT-R125LWEの方が満足出来るでしょう。
元の装備の豪華さに加え、より速くするためのポテンシャルも高いです。
長らく海外で先行して販売されてきた分、パーツの豊富さでも有利ですね。
用途にあった選択を提示しておいてなんですが、
正直どっちを選んでも間違いなく楽しめると思います。
どちらも楽しい・オフロード遊びの原点を教えてくれるようなバイクです。
是非一度乗ってみて下さい。世界が変わりますよ。
おわり