令和最新版・ZETAハンドガードの選び方

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種類増えすぎだぜZETAのハンドガード


いつのまにか種類が随分増えたZETAのハンドガードシリーズ。
販売店とダープラとしても、メーカーのダートフリーク全体としても売れ線の商品なので
種類が増えるのは当然なのかも・・・しかし、選びかたがちょっとわからなくなってきてるかもなぁと言うことで、
久しぶりにハンドガード解説のブログを書こうと思います。アクセス数も伸びるんです(心の声)

前提として、ZETAのハンドガードに限定したお話となります。
基本的なお話は以前コラムでも書いていますので、こちらも是非読んで頂きますと!
タイトルの通り、令和5年の最新版でございます。
令和最新版って書くと急に胡散臭くなりますね!

最初の選択肢

まず、はじめの選択肢として、オープンタイプとクローズドタイプの二種類があります。

オープンハンドガード


オープンタイプはモトクロッサーや昔のトレールバイクの純正に付いていたタイプ。
近年はCRF250LやRALLYが純正装着されていますね。
これは、泥よけと風防としての目的で装備されています。
基本的にほぼプラスチックで構成されており、軽くて重さのネガがあまりないのが利点。

ただ、レバーを守ったり草木から指を守るようにはなっていません。
ツーリングかモトクロス向けということですね。
因みにコチラはインパクトX2ハンドガードというモデルです。

ただ、ZETAをはじめ、近年の社外ハンドガードはレバーと共締めする純正と異なり、
ハンドルバーをクランプして支持する構造になっています。

この構造の場合、ハンドルにクランプするスペースが必要になりますが、
トレールバイクの多くはこのスペースを確保するのに四苦八苦すると思います。
15mm程度のスペースですが、その15mmを確保するのって、
スイッチ類の多いトレールバイクでは結構難しいです。
故に、競技用車両向けと思って頂いた方が良いかな・・・

クローズドハンドガード


多分この記事を読んでいる読者の方の多くが気になっているのが
このクローズドタイプのハンドガードだと思います。
(完全に手を囲う形状なのでクローズドタイプって言います)

いや~カッコ良いですもんね!僕も好きです。
オープンハンドガードと同じく泥除けや風防としての効果はもちろん、
草木の間をぬって走る際に指を潰さないよう・転倒時にレバーの破損を防止する効果も担っています。

・・・って書いておいてなんですが、レバーの破損を守れるか否かは
ハンドガードの強度によるんですけどね。

そんなクローズドタイプのハンドガードですが、
取り付けにあたってはオープンハンドガードに比べ様々な要件をクリアする必要があります。
なので、クローズドタイプのハンドガードを語ると非常に長いお話になるんですね。
でも大丈夫です。ダートフリークで最も文才に優れると自称する私寺尾がわかりやすく解説します。
さぁみんなついておいで!

ZETAクローズドタイプハンドガード徹底解説

①アーマーハンドガードベンド

一番昔から販売されている最もベーシックなハンドガードです。
2005年辺りから販売されているのでもうすぐ20周年に突入しそうなロングセラー商品。

アルマイトされたアルミの本体(ブラックのみ塗装)に可動式の3ピースで構成されるクランプパーツ、
鉄とアルミハンドルに対応するバーエンドアダプターをセットにした商品です。
画像左がアルミハンドル用アダプターで、右が鉄ハンドル用。

このクランプパーツ(以下3ピースクランプと呼称)は首振り構造のために
取り付けの自由度が比較的高いので、
ハンドルの引き具合や幅に合わせて融通が利くのがポイントです。

このハンドガードは、ハンドルの直径が一般的な22.2mm用と
テーパーバーと呼ばれる28.6mm用の2種をラインナップ。
テーパーバーは徐々にハンドルが太くなっている形状に合わせて、
左右で内側の形状が異なっています。選ぶときは間違えないでね。

②アーマーハンドガードXCキット

上記のアーマーハンドガードにXCプロテクターを最初から同梱したセットパッケージです。
風防目的の方は最初からコチラを購入して頂ければOKですね。
セットになっていること以外、仕様の違いはありません。

③アーマーハンドガードXC-PRO キット

こちらも②と同様、プロテクターを同梱したタイプ。
ただ、XC-PROという大型プロテクターになっていることと、
クランプパーツがテーパーハンドル用のU-クランプであることが違いです。


U-クランプは後述しますが、3ピースクランプに比べ圧倒的な固定強度を持ちます。
ただ、取り付けの自由度は下がるのでブレーキホースとの干渉具合などを事前に確認しておきましょう。
KTM系のエンデューロマシンには相性良いですよ。
元々U-クランプがKTM系車両にマッチした形状なのです。

④アーマーハンドガードベンドストレート

①のアーマーハンドガードの本体形状がストレートになったタイプです。
ベンドってのは曲げの意味なので、まっすぐなコチラはストレートという名前が付いているわけですね。
そもそもベンドというのは、ハンドガードがスロットル操作の邪魔にならないよう、
手元を一旦下方に曲げているのですが、ストレートは名前の通りまっすぐに伸びた形状です。

じゃあ手元に干渉して邪魔じゃん

と言われそうですが、まぁ確かに気になるっちゃ気になるんですよ。
でも、手元をしっかり守ろうと思ったら側面にしっかりガードが付いていて欲しいじゃんね、
というのも事実です。私寺尾はコチラを愛用しています。
他車と接触してもお手手をしっかり守ってくれます。

⑤プロアーマーハンドガードベンド

こちらは本体形状から異なり、プロと名前に付いています。
プロ仕様の頼もしいヤツです・・・


ハンドルに固定するアンカー部分の形状がハメ合い構造になっていて
保持力を強化し、サイド部にバンパーを装備。

こちらはユーザーさんにお好みの固定方法をお任せする、というコンセプトなので
クランプパーツは付属していません。
別途後述するU-クランプやトップブリッジマウントと組み合わせて使って頂く形になります。

このハンドガードのみ、単体で成立しないので注意してね。

⑥アドベンチャーアーマーハンドガード

このハンドガードはこれまでのアーマーハンドガードとは大きく形状が異なります。
特徴は以下の3つ。

●本体が短めのショートタイプであること
●クランプパーツのアーム部分が長めになっていること、
●バーエンド部分に長短2種のスペーサーが付属していること

以上が特徴です。
どうしてこういう形や構成になっているのかと言うと、汎用性をグッと高めるためですね。


アドベンチャーバイクやカブなど、ハンドルの立ち上がりが大きいバイクや
CRF250RALLYのようなカウル付きのトレールバイクには従来のアーマーハンドガードでは対応し辛かったので、
別途新形状のものが用意されたというわけです。

ショートタイプの本体はカウルやメーターへの干渉を防ぎ、
バーエンドのスペーサーの組み合わせ次第で更にオフセットさせることも可能です。

グリップ&スロットルチューブへの干渉もこのスペーサーで回避出来ます。
このスペーサーやボルトは通常のアーマーハンドガードに流用するのもアリ。

長めのアームを持ったクランプはブレーキホースや
マスターシリンダーとの干渉を防止。特にアドベンチャーバイクはマスターが大きいですからね。

そんなわけで、この汎用性の高さ故に取り付けもしやすいので、
トレールバイクの方は迷わずコレを選べばOKでございます。
特にセローはこれが調子良いですね。アドベンチャースクリーンとの併用も大丈夫ですよ。

⑦アドベンチャーアーマーハンドガード・車種専用タイプ

先述のアドベンチャーアーマーハンドガードを車種別用に改良したタイプです。
元々汎用性の高さがウリですが、それでも一部の車種には取り付けが難しいものがありました。
そうした車種向けに専用設計のアダプターを同梱させたのがコチラのタイプ。
専用だけあって、とてもキレイにストレス無くフィットします。

そんな中でもCRF1100L・1000L用は完全専用設計です。
コレは本当に全部一から作らないと難しかったんでしょうね。
昔、普通のアーマーハンドガードを付けたこともありますが、やっぱり専用設計が具合良いです。

⑦アーマーハンドガードベント4st Mini 125 22.2mmハンドル用

ちょっと変わり種のハンドガードです。
これは車種専用と言っても差し支えないかな。CRF125FとTT-R125専用みたいな扱いです。
アドベンチャーアーマーハンドガードでは取り付けが厳しかったので別途ラインナップされました。
エンデューロ用途が多いバイクなので、このハンドガードはマストかもしれませんね。

⑦アントラーハンドガード

最後に紹介するのがこちらのアントラーハンドガードです。
これまでのハンドガードと異なり、樹脂製の本体となっています。
樹脂製故に軽量でハンドルのしなりを阻害することなく、
モトクロス派の方にもオススメなハンドガードと言えます。

そう、今更ですがアルミ製ハンドガードってその強度故にハンドルを大幅に補強してしまうのです。
補強って言うと良く聞こえますが、本来ハンドルってオフロードを走行中は結構しなっているので
補強するとしなりが殺されてしまうというデメリットがあります。
しならないハンドルは路面からの衝撃が手に伝わりやすく、疲労面では不利となります。

そーんなネガを解消したのがこのアントラーハンドガード。
良いと思いませんか。

ただね、樹脂製故にアルミハンドガードのようにガッツンガッツン転んでも耐えられる強度は持っていないのです。
衝撃をかわす特性があるので、ある程度の転倒には耐えますが、度を超すとバキッと割れる場合もあるので
用途は選んだ方が良いですね。ハードエンデューロでは腕に自信のある方で無いと壊しちゃうかも。

また、ハンドルをクランプする位置が通常のハンドガードと異なり、
ハンドルのストレート部分なので、トレールバイクへの装着は厳しいでしょう。

本体の紹介はここまで。次はオプションのお話。

以上、ZETAハンドガードシリーズのご紹介でした。
こうして見るとハンドガードだけで随分沢山の種類があることがわかりますね。
基本的に車種別用がラインナップされているバイクはそれを選んで頂ければOKですし、
そうでない場合、トレールバイクはアドベンチャーーアーマーハンドガードを。
モトクロッサーやエンデューロマシンはアーマーハンドガードを選んで頂くと良いと思います。

ここからは、そのハンドガードを拡張・強化するオプションの解説です。

ハンドガードクランプ色々

ハンドガードの固定強度を左右するのがハンドガードクランプです。
序盤で解説した通り、3ピースクランプHじゃ取り付けの自由度は高いものの、固定強度の面では不利です。
ハードに走りたいという方にはより固定強度の高いクランプへの変更がオススメ。

①ハンドガードマウント フロントタイプ・サイドタイプ



このクランプはハンドルを掴むのでは無く、
トップブリッジと直接連結する方式のクランプです。

フォークを固定するピンチボルトの向きに合わせて
フロントタイプとサイドタイプを選んで使用してください。

この固定方式は最強クラスに強いのがポイント。
強度最優先の場合はこれが一番良いかな。

気になる点としては、取り付けの自由度の問題でしょうか。
トップブリッジに固定する際、マウントが周辺のパーツと干渉しないこと、
そもそもハンドガードに届くか否か、という点をチェックしましょう。
ハンドル位置を上げているとクランプが届かない場合があります。

②ハンドガードマウント Uクランプタイプ/ロング



セット商品にもなっているUクランプです。
4本のボルトでハンドルバーをガッチリ掴みます。
ハンドルの太さに応じて選んで下さい。

また、このUクランプですが、車種によっては長さが不足する場合があります。
その場合はロングタイプを使用して下さい。
ホンダ以外の国産モトクロッサーはロングの方が相性良いかな?

トップブリッジ固定と異なり、ハンドルの高さに影響を受けにくいことと、
トラブルがあった場合にもハンドルの中で完結するので、
フロントフォーク周りに損傷を与えにくいのが利点です。

③ハンドガードマウント バークランプタイプ


ハンドルを固定する上部のクランプパーツを交換して固定するタイプ。
KTM系の車両に向けて開発されています。国産にも一部使用できなくはありませんが、
ブレーキホースやキーなど干渉が起こりやすいです。

KTM系の車両はフロントフォークのピンチボルトが斜め後方になっているので
トップブリッジ固定が出来ません。
その代替案としてこのクランプの出番という訳です。
固定強度はトップブリッジ固定と同等で非常に強いですよ。
バーパッドが付け辛いのがちょっと気になりますが構造上やむを得ないところです。

取り付け条件に合わせて選ぼう

こんな感じにハンドガードのクランプパーツだけで結構な種類があります。
ただ、どのバイクも全て選べるというわけでは無く、実質的な選択肢は2つか3つ程度でしょう。
その中から、どれを選ぶかは自分次第というわけです。
個人的にはトップブリッジ固定のフロントタイプ・サイドタイプがオススメですね。

その他のオプションいろいろ

ハンドガード本体やクランプパーツは上記の通りですが、
他にもちょっと気の利いたオプションがいくつかあります。

オプション バーエンドプラグ


これは、アーマーハンドガードをアップグレードするためのアイテムです。
設計した人は頭良いな~って思います。目から鱗ね。

グリップの端を保護する形状になっているので、グリップの破れやスロットルチューブの破損を防止。
泥や砂の侵入も軽減してくれる効果があります。

また、このパーツを介することで、プロアーマーハンドガードの
バーエンドアダプターが使用可能になるので、
通常アーマーハンドガードの固定強度を上げることも出来るというスグレモノ。
良く考えられてますね~。

ただし、アドベンチャーアーマーハンドガードシリーズには対応していないのでご注意下さい。

オプションスライダー



こちらはアドベンチャーアーマーハンドガード用のアイテムになります。
目的は前述のオプションバーエンドプラグと似ていますが、
スライダーという名前の通り、POMという樹脂で滑りやすい素材になっています。
こちらも泥や砂の侵入を軽減してくれるので、是非一緒に取り付けしたいところ。

オプションバンパー


こちらもアドベンチャーアーマーハンドガード用アイテムです。
シリコン製のカバーで、転倒や擦れからハンドガードの傷つきを防止。
ハンドル周りを守るためのハンドガードですが、傷つくのは嫌という方も多いと思います。

でも、このシリコンカバーがあれば、本体の傷は最小限に抑えられますね。
理屈としてはスマホのケースと同じで、本体の奇麗さをキープ出来るというのはポイント高いです。

まとめ

以上、ZETAハンドガードの種類と解説でした。
随分沢山の種類がありますが、ツーリングかレースかと言った用途や
自分のバイクのハンドル径、ブレーキホース周辺の形状などを見ると、
取り付けの選択は自然と絞られてくると思います。

車種専用品が出ているバイクはまずはそちらを。
より強度を高めたいとか、専用品の無いバイクは汎用タイプをどう組み合わせるか?
色々と考えてみると面白いと思います。

もちろん、わからない点はお気軽にご質問下さいね~。
それではまた。


寺尾 拓郎

この記事を書いた人

店長

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