「ゲコタ」について

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話題のIRC iX-09W GEKKOTAを限定販売するという発表がされました。
高橋博選手や和泉拓選手が開発ライダーとしてエクストリーム系エンデューロ(以下XED)を荒らしまわっているのでご存知の方も多いでしょう・・・って今更説明はいりませんよね。
トライアルタイヤと同質のコンパウンドを使い、ソフトモトクロスタイヤのようなパターンを持った
泥ねい地におけるトライアルタイヤの逆転を克服したIRCの新作エンデューロタイヤです。

・・・ただ、このタイヤ色々あってまだ完成では無いのです。
一般の方に販売するものとしては2ndバージョンで、昨年CGCで販売されたものとも微妙に異なります。
なにぶんトライアルタイヤのコンパウンドでエンデューロタイヤを作るというのは技術的なハードルが高く、量産が難しいそうで・・・
また、特殊なシチュエーションを想定したタイヤであるため、ハード路面をハイスピードで走る場合などで、ブロックもげが
起こる場合がありますし、柔軟性故に、ヨレを感じることもあるでしょう。
サイドウォールも「あえて」弱く作っているので、ハードチューブも必須です。通常のEDタイヤは逆で、耐パンク性のために、横剛性が高いのですよ。
これらのことから、お客様にはある程度このタイヤの性格をご理解して頂く必要があります。

もっとぶっちゃけると、まだ正式に一般販売するかどうかも未定なのです。
今後の動向次第では最悪「ボツ」もありうる、と言うことです・・・それはヤダね!

上記の文章と重複する内容もありますが、高橋博選手のブログにあるコメントを転載いたします。(ご本人による許可は頂いております。)

簡単に言うと、IRCさんの誇るトライアルタイヤとモトクロスタイヤの製造技術の融合で出来た代物です。
タイヤのコンパウンドが他社製品とは比較にならない、まさに常識外れな柔らかさを誇っています。
そして、ただ柔らかいだけでなく、タイヤ全体で地面を掴むので、従来のEDタイヤのように、地面をむやみに引掻いて進むというタイプのモノとは一線を画します。
そのことから、以下の路面コンディションに対して、非常に突出したグリップ性能を発揮します。
岩石、ガレ場、ウッズや根っこ、腐葉土、砂の浮いた岩盤、沢など。
大多数の皆さんが今まで苦労していた場所が、いったい何だったんだ?って思うくらい、世界が変わります。            

いろんなエンデューロタイヤが世の中に出回っていますが、ココまでグリップするタイヤは他に無いとハッキリ断言します。
そして、トライアルタイヤ好きな皆さんなら、迷わずコレを装着されることをお勧めします。
トラタイヤの持つ弱点を全て補ってくれます。

但し・・・・ただしですよ。
最初に注意点と、ゲコタの唯一の弱点も、テストライダーとして正直に申し上げておきます。
まず、チューブは必ず耐久性の高いヘビーチューブをお使いください。
これを装着しないと、やはりパンクの心配があります。チューブリスやムースなら、全く心配無いでしょうけどね。

それと、タイヤのゴムの耐久性ですが、完全コンペ専用ソフトコンパウンドですので、そんなに良くは無いかもしれません。
まれにブロックのモゲや、ひび割れ(永く使うと、どうしてね)が発生します。そこはキッチリ、競技専用タイヤとして割り切ってください。
でもね、ブロックがかなり減った状態でも、従来のタイヤと違って先にも説明した通り、面全体で地面を掴む構造なので、不思議とグリップが落ちないんですよ。
因みに、夏のとよね練習会のときに僕の履いていたゲコタですが、実は殆どブロックの山も角も無いモノだったんです。
あれだけツルツルな路面でも全然問題無かったでしょ?(見てた人ならきっと納得かと・・)
最後に、ゲコタの弱点ね。それは、固い地面と、ぬかるんだ100パーセント粘土質な路面には、柔らかいタイヤの特性上、不向きです。
粘土質でも、その中に砂や石が混じっていれば問題無いのですが、完全な粘土質のヌタヌタは不得意分野です。
理由は簡単。地面にブロックを刺してガシガシとトラクションをかけるモノではないからです。
ある意味、環境に優しいタイヤですが、そんなところがゲコタの弱点です。

以上です。
ただ、こうした制約があっても、あまりある優位性があるタイヤであることは事実です。
IRCも推奨していますが、池の平や爺が岳は本当にうってつけのハズ!
今後正式に一般発売されるかどうか、それは皆様の反響次第です!

と、いうわけでストアではご注文受付中です!デリバリーは三月下旬から四月の予定ですよ!


寺尾 拓郎

この記事を書いた人

店長

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