自分なりに考えてみよう

ID: 17756

業界にはインフルエンサーという強力な影響力を持った方がいます。
例えばヤマハ車における鈴木健二選手。

この方はYZシリーズなどヤマハオフロード車の開発に深く関わっていて
自ら走り、試し、弄り、勝ってくるというなんでもやってしまう超人です。
かつてヤマハファクトリーチームの監督もされていたので愛称が”監督”。
指導にも長けているので、ヤマハのオフ車ならことの人のいうことに間違いは無いと言われています。

そんな感じで、他の車種・ジャンルであってもこうしたインフルエンサー的な力を持った方やショップ様は各方面にいらっしゃいます。
仮に総称して“神”と呼ぶことにしましょう。
そうした神々の発言や提案するチューニング(総称して神のお告げとします)というのは基本的にどれも正しいと思います。
そうした神のお告げというのはとても理にかなっていますし、
多くの経験と知識に裏打ちされた事柄ですから信憑性も非常に高い。
ただ、全てを漠然と飲み込むのではなく、自分の用途や身体にあっているかどうか
一度再考して、必要ならば神のお告げから一歩二歩ずらしてみてはいかがでしょうか。

っていうのが今回の記事のテーマです
。前置き長いね!


例えばセローの場合、鈴木健二選手がJECやJNCCで使用した仕様があります。
↑の画像はそれをイメージして制作した車両で、”そのもの”ではありませんがこういうイメージです。
これはとにかく速く走るためのセローで、元々セローが持っているエンジンの粘りやコンパクトさは極力そのままとして、
ハイスピードに耐えるサスペンションと軽量化・モトクロス向きのハンドルポジション・各種ガードを装備した仕様です。
タイヤは勿論モトクロスタイヤですね。
こうした仕様のセローに乗ってみるとコンパクトで旋回性が高く、ウッズを攻めるような場面では
YZ250FXのような純エンデューロマシンに勝る場面も多々あります。
一方で壁のような岩を乗り越えたりと上下の起伏が強い場面では後述するセローに分があります。

上記のセローに対してトレッキング仕様のセローもよく見かけます。
こちらは低速~静止状態から一気に駆け上がるような、
トレッキングに合わせたサスペンションと軽量化・ハンドルバーを前方に起こした
トライアル寄りのポジションに各種ガードというのが定番。タイヤはトライアルタイヤ。
IRCのツーリストが鉄板ですね。

この仕様のセローはとにかくフロントを上げやすくって、岩も丸太もなんでもこいという仕様。
ただ、スタンディングポジションが基本になってくるので、座ってコーナーを攻めるような場面では前者に譲ります。


どちらもセローの神々が提案したお告げなわけですが、考える方向性は大きく異なります。
なので、自分がなにをしたいか?でどちらの神を信仰するかも変わってくるんですね。
それも一極に集中するのではなく、両方の要素を取り入れても良いわけで配分は自分の好み次第です。

ちょっと脱線しますが、商売という観点で考えると「これがおススメ!」というパターンを提示するのが一番良いんですよ。
だって自分で考えるのって大変ですもんね。それを代わりに考えてご提案するのが我々の仕事ですし、信用して頂くのはありがたんですけどね(^^)

これは服なんかでもそうで、全身セットアップされたマネキン買いという買い方はWEB通販で
メジャーですし、携帯電話の契約とかでも複雑な料金体系やプランに辟易して、
なんとなく提示されたものを選ぶというのは日常的にあることです。
 

でもね、一歩立ち止まって、本当にそれが最適かどうか一度考えてみましょう。
仮にハンドルバーの選択ならば、今着いているハンドルの高さは自分に合っているかどうか?

今装着しているシートがローシートだったらハンドル位置は相対的に高くなりますし、ハイシートならその逆です。
身長が高いか否かでも変わります。
神のお告げは絶対ではなく、一歩そこから自分のアレンジを加えてみてはいかがでしょう。
100人ライダーがいたら100人の回答があるんじゃないかな~と思うのです。


寺尾 拓郎

この記事を書いた人

店長

関連記事