JNCCに出場する
前回の記事の続きでございます。
セロー250でJNCCに出場すると決まったので、
現状のセローをよりエンデューロで戦える仕様にアップデートします。
これでも出れるには出れるのですが。
ただ、会場となるプラザ阪下は、ベースがモトクロスコースであり、
そこに丸太や重機のタイヤなどの人口セクションを配置して作られた特設コースとなります。
そして路面の土質としては、非常に固い性質を持っています。
・・・トライアルタイヤの出番ですね。
JNCCプラザ阪下に最適なタイヤ選び
昨年使用したYZ250FXのようなハイパワーエンデューロマシンと異なり、
セローは馬力も少なければレスポンスもマイルド。
勢いで走破して攻めるような走りにはいささか不利です。
しなしながら、マイルドで粘りのあるエンジン特性は路面を引っ掻くことも無ければ
エンストもしにくい性質があり、
リヤホイールはチューブレスなのでトライアルタイヤを装着すれば、
思いっきり空気圧を落として抜群のグリップが得られます。
前後でタイヤが違うのはなんでなんだい
フロントタイヤはIRC:VX30
上記の通り、今回はリヤホイールにトライアルタイヤであるIRCのツーリストを装着しています。
ただ、フロントホイールは同じIRCのVX30を選択。
何故かというと、当然ですがバイクは後輪駆動のため
路面を捉えて推進力を生むのはリヤタイヤです。しかしフロントはそうでもありません。
前後にツーリストを履く手もアリではあるのですが、
柔らかい路面でのブレーキングにおいてある程度刺さるブロックが無いと
フロントから滑って転ぶというシチュエーションが多いのです(分かる人多いでしょ)
安心してブレーキを掛けたいと言う場合、
あえてフロントにはモトクロス・エンデューロタイヤを履くという選択も良いと思います。
数あるモトクロスタイヤの中でも、今回選んだVX30というのは
ミディアム~ソフト路面に対応したタイプで、プラザ阪下は固い土質ではあるものの、
比較的オールマイティに使える点を考慮して選択しました。
リアタイヤはIRC:TR011ツーリスト
リヤはセロー乗りのお約束、IRC TR-011ツーリストです。
このタイヤは見ての通り厚みがあり、非常に柔らかいコンパウンドで、
岩や根っこなどの障害物に対して積極的に変形します。
更に、密度を高めて配置されたブロックは吸盤のように路面を掴むので
固い障害物に対しては無類のグリップ力を持ちます。
一方でこのブロックパターンは泥で目詰まりしやすく、路面を掘り返す力に欠けるため
柔らかい路面に弱いというのが使用箇所を選ぶところです。
また、タイヤの厚みと柔らかさ故に、ハイスピードでコーナーを走るシチュエーションでは
タイヤの”ヨレ”が気になるところです。
つまり低速でセクションを確実にクリアするためのタイヤ=トライアルタイヤということですね。
因みに、トライアルタイヤというのは各メーカーから販売されていますが、
セローにベストマッチなのはこのツーリストです。
何故かと言うと、他のトライアルタイヤは想定している車重がトライアルバイクのそれなので、
130kg以上あるセローにはマッチしないのです。
逆に、ツーリストは元々TY250Zスコティッシュというナンバー付きトライアルバイクの為に開発されましたが、
いつの間にかセロー用タイヤの代名詞のようになり、メーカーもそれに合わせて細々と改良してきました。
セローにはツーリストが最適と言われるのはこうした背景もあります。
最強のハンドル周りを構築する
操作に直結するので壊したくない
現状ハンドルバーはZETAのCXハンドルバーが、
ハンドガードはアドベンチャーアーマーハンドガードが装着されています。
これでも十分に強いのですが、今回の用途では丸太やタイヤセクションで
ガンガン転ぶことが想定されるので、より強い組み合わせにアップデートして備えます。
最強の組み合わせとは
今回装着するのはZETAのPROアーマーハンドガードと
ハンドガードマウントサイドタイプという商品。
ハンドガードマウントサイドタイプというのは名前が長いのでサイドマウントと呼んでいます。
PROアーマーハンドガードはバーエンドアンカーと呼ばれる部分が
ハンドガードとはめ合い構造になっており、保持力に優れます。
側面に樹脂のバンパーが付いているのも嬉しいですね。
そして、サイドマウントはトップブリッジに直接固定します。
トップブリッジから伸びたサイドマウントにハンドガードを連結固定します。
通常のハンドガードは丸いハンドルパイプを掴んでいるので、
どうしても転倒などで回転したりズレてしまうことがありますが、
この構造ですとハンドガードがズレることはほぼ無くなります(変形しない限り)
ハンドガードがズレずに固定出来ていれば、レバーの破損などのトラブルはほぼ防ぐことが出来ますし、
ハンドルバーも純正に比べ圧倒的に強いので、曲がりにも強いです。
つまり、ハンドル周辺のトラブルはほぼ防ぐことが出来るということですね。
折れる心配は無いけど可倒式レバーを装着する
上記の通り、ハンドガードでしっかり守られているので
レバーの破損の心配はほぼ無いのですが、レバーもZETAのPIVOTレバーに交換します。
クラッチはレバーホルダーごと交換するPIVOTパーチで、
レース中に素早く遊び調整が出来る仕様になっています。
渋滞など、スピードが出ないセクションなどで
エンジンがヒートすると遊びが増えてしまいますし、冷えると遊びは減ります。
そんなときに遊び調整がスピーディに出来ると凄く便利なんですね。
ライトクラッチ機能もあるので、レバー操作も少し軽くなっているんですよ。
レバーの角度も細かく設定出来るので、手の大きさや指の長さに応じてセッティング可能です。
チェーン外れを防ぐ
今回のカスタムメニューの最後のキモは、
ZETAのデュラブルチェーンガイド取り付けとスプロケットの変更です。
セローの純正チェーンガイドはガイドというよりカバーでしか無く、
轍などでチェーンが外れを防止する効果はほとんどありません。
しかしながら、チェーンが外れてしまうと走行不能になるばかりか、
クランクケースを破損してオイル漏れしてしまうなどのトラブルに繋がります。
これをZETAのチェーンガイドに交換すれば、チェーンを360度囲った形で
ガッチリ守ります。ガイド本体もスイングアーム裏から支える構造で、
チェーンガイドステーの弱さを補う形になっています。
これで、チェーン外れを防止して安心して轍もガレ場も攻められるという寸法です。
これはオススメ・・・というよりも必須アイテムなので、可能な限り装着を推奨しております。
今回のカスタムはここまで
と、いうわけで今回のカスタムはここまでとなります。
まだまだマフラーを変えたり、ペダルを変えたり出来るメニューは色々あるのですが、
後日段階を踏んでカスタムプランをご提案したいと思っております。
ここまでのプランのコンセプトとしてはJNCCで戦えることなのですが、
もう少し掘り下げて言うと以下の2点です。
●オフロードでガンガン走っても壊れずに完走出来ること。
●しっかりオフロードが走りやすいセッティングであること。
この二つです。速いとか軽いというのは更に一歩踏み込んだところで取り上げていきましょう~。
そして、このバイクでdfシャチョーは無事完走出来たのか?丸太とタイヤは乗り越えられたのか?
この結果は後日ご報告予定です。
最後に、現時点で装着されているパーツのリストと価格表を載せて置きますので
参考にしてみてくださいね。
※価格は2023年3月10日時点のものです。※